文章の正しい書き方を学ぶために、ライティングに関する書籍を読み漁っています。
中でも書く前の準備から完成したあとの推敲(すいこう)方法まで、細かく記載されている書籍に出会いました。
それが『新しい文章力の教室』です。
義務教育では学べなかった文章の書き方を1から学べる書籍であり、実用書として即戦力となる仕様でした。
具体的には
・文章を書き始める前の枠組みの設定
・正しい言葉使いを用いたライティング
・読み直し修正していく重要性
などがギュッとまとめられている魅力的な1冊です。
本書の魅力をまとめたので、是非ご覧ください。
目次
新しい文章力の教室の著者
新しい文章力の教室の著者は、「唐木 元(からき げん)」さんであり、株式会社ナターシャの取締役を担っている方です。
みなさんも1度は見たり聞いたりしたことがある「ナタリー(https://natalie.mu/)」の初代編集長を勤めています。
これまでに2万本以上の記事を校了した実績をお持ちだといいますから凄いですよね。
本書は唐木さんが社内で行なっている「唐木ゼミ」という新人向けトレーニングを文章化したものです。
新しい文章力の教室の要約
第1章 書く前に準備する
書く前の準備が文章を書く上でもっとも大切です。
良い文章というのは完読される文章のことをいい、その為には主眼と骨子(こっし)の設定は必須です。
主眼とはテーマのことであり、「この文章は何をいうための文章なのか。」を明確にするということをいいます。
また骨子とは要素(何を)・順番(どれから)・軽重(どれくらい)の3つの要素のことです。
文章を書くときはすぐに書きださずに、主眼と骨子を整えてから順序立てて書き進めていくことを推奨しています。
書く前に準備することで何を書けばいいのか行方不明になる心配がなくなり、無駄な内容を取捨選択することができるようになります。
第2章 読み返して直す
一度出来上がった文章を読み返すにあたり、意識すべき注意点があります。
例えば文章を書くときには、ひらがなとカタカナ、漢字のバランスを意識すべきであること。
文末が同じ終わり方にならないためのバリエーションも大切な要素です。
また文章を書く上での主語と述語の関係を改めて見返すべきであり、読点の使い方も改めて見返す必要があります。
一つ一つの細かい修正が読み手を完読まで誘うポイントです。
何度も読み返して直す意識を忘れず行いましょう。
第3章 もっと明快に
読者の負担を軽減するためにはより伝わる文章を書く必要があります。
伝えたい内容が的確に伝わるために、書き手の気持ち良さよりも読み手の気持ちを重視すべきです。
そのための技術として、余計な単語を削り、文書をよりタイトにしていくことが挙げられます。
また修飾語と助詞の正しい使い方、並列と列挙の意識といった見落としがちな作法も重要となってきますね。
最初は「より短く」文章を書くことを意識し、一番伝えたい論旨に焦点があたるように心がけましょう。
第4章 もっとスムーズに
丁寧さという名の読者目線を意識することが重要です。
文書に対する品の良さや丁寧さをテーマにしており、適切なスピード感ある文章を日頃から意識すべきです。
良い文章としてこれまではスピード感、いわば無駄な語句を省いて短くまとめることが正しいとされてきました。
ですが時には体言止めや指示語を使ったり、鍵カッコやビックリマークなどを使用するテクニックも読み手を惹きつけるアクセントとなります。
使いすぎは読み手の負担にもなるため、使用する箇所を見定めることが重要です。
用法用量を守り、読み手の完読をサポートする役目としてうまく使用することを勧めます。
第5章 読んでもらう工夫
一連の文章力があがる技術を学べば、プレゼン力もあげることができます。
人にものごとを伝える書く技術は、ブログ運営から会社での報告書作成といった場で応用できるでしょう。
文章を伝える工夫を通して、細かいところに気を配るため、結果的に仕事ができるようになります。
日々のちょっとした工夫を繰り返していくことが文章力上達の近道でしょう。
読み手に完読してもらえる文章を常に意識し、細かい修正を怠らない意識を持つことが大切です。
新しい文章力の教室の学びポイント
文章構成力を学べる
様々なライティングに関する書籍を読んだ中で、文章の下準備の重要性をわかりやすく明記している本は初めてでした。
ぼくも日々文章を書いていると、「あれ?何の記事だっけこれ・・・」と瞑想することがよくあります。
本書を読んでからは事前に枠組みを確立し、行方不明になることがなくなりました。
これは文章を書くストレスをグッと下げてくれますし、途中で筆が止まることもなく時間的な面でも助けられています。
本書では下準備を化粧に例えて、マスカラやアイシャドーよりもベースメイクを教えてる必要があると書かれていました。
まさにその通りですね。
小手先の技術だけ覚えても土台がしっかりしていなければ、読み手は離脱してしまいます。
文章の基盤となる枠組みが出来上がっていることで、何が言いたいのかは伝えることができるでしょう。
是非みなさんも本書を読み、書く前準備の重要性を改めて理解してはいかがでしょうか?
細かい技法を瞬時に学べる
書く前準備を学び、いざ文章を書く時に決まって言葉の言い回しに苦戦します。
ぼくの悩みとして、毎度文末が同じような言い方になってしまう特徴があるんです。
また文中で言葉を変えて同じことを書いてしまったりと。
ですが本書を読んでからは書きながら一つずつ修正しながら書いており、以前よりも修正できています。
というのも本書は誰でもすぐに活用できるくらい分かりやすく技法が書かれているのがポイントです。
一読すればその日に実践でき、すぐに昨日と違った書き方ができます。
もちろん無意識で本書に記載されている技法を活用するには時間がかかります。
日々ブログやSNS、会社などで意識的に行うことで少しずつ身に付けることができるでしょう。
ユーザー目線の大切さを再確認できる
書き手がいれば読み手がいます。
読み手が文章を読んでくれるかは、書き手の書く技術や伝え方次第で変わってきます。
もっとも大切なことは書き手が常にユーザー目線で文章を書けるかどうかです。
本書では読み手に完読してもらうことを目標にしており、そのための技術を詳細に示してくれています。
よって自分自身が文章を書く際に、読みやすい文章を書けているかを再確認する機会となるでしょう。
何も考えずにただ文章を書くのと、日々読みやすい文章を書き続けるかでは数年後の文章の質は確実に変わります。
ユーザー目線の意識がいかに文章を書く上で大切か、改めて認識する機会としてみてください。
まとめ
文章を書く前準備の重要性に触れている本はそう多くありません。
本書を通して間違いなく文章がよりスムーズに書けるようになります。
また構成力だけではなく、細かい技術を1冊からまとめて得られる本としてオススメです。
個人的に中学や高校で本書を教科書として採用してほしいと感じました。
そのくらい分かりやすく、ライティング初心者でも書き方の基礎を理解できる内容です。
是非これからライティングを学びたい方や、より上手な文章を書きたい方はお手にとってみてください。